HAND OPTION · BETA
手指オプション。
指ごとの小さなIMU基板で、指の曲げと開きを測る手袋です。
基板データ・ファーム・アプリをまとめて公開します。自分で作って、自分のアバターの指を動かせます。
実際に組んで動かしている段階の版です。精度や使い勝手は、これから改善します。特に電池の極性(4章)は、作る前に必ず読んでください。
01できること
- 5本の指それぞれの付け根の曲げと開き、親指の動きを測ります。第2・第3関節は、付け根の曲がりから自然な曲がり方で推定します。
- 出力:VMC(MOCAPTYX Stageで確認済み。Warudo、VSeeFaceなどにも)。VRChat OSCとOpenGloves(SteamVR)は、アプリには入っていますがまだ実機で確認していません。
- 200 Hzで測り、USBドングルかWi-FiでPCへ。両手同時に使えます。キャリブレーションも両手まとめてできます。
- 精度の目安(当方の実測):手を返したり振ったりしている間の指の角度のブレは約2〜4°。
- アプリからボタン1つでファームを書き込めます(開発ツールは不要)。
02用意するもの(片手ぶん)
| もの | 数 | メモ |
|---|---|---|
| メイン基板 GLOVE MAIN v0.1 | 1 | 手の甲に載せる。ESP32-S3、充電回路、指のコネクタ6個。発注で部品実装済みにできる |
| IMU小基板 GLOVE IMU MINI v0.1 | 6 | 指用 F ×5、手の甲用 H ×1。1パネル=12枚=両手ぶん(F 10+H 2) |
| FFCケーブル | 6 | 1.0 mmピッチ・4芯・Type A(両端の青い補強板が同じ面)。指は100 mm、手の甲は50〜60 mm |
| リチウムポリマー電池 | 1 | 1セル3.7 V、300 mAh以上、保護回路入り、JST PH 2.0 mm。極性に注意(4章) |
| USBドングル | 1(両手で共通) | 技適マーク付きのESP32-S3のUSB付き小型ボード。M5Stack AtomS3 Liteで確認(ケースの側面に技適マーク)。Wi-Fiで使うならなくても可 |
| USB-Cケーブル | 1 | データ通信できるもの(充電専用は不可) |
| 手袋、両面テープ・布テープ | 基板を指の上にしっかり固定できるもの |

メイン基板(50×38 mm)。上の辺:I=人差し指、M=中指、R=薬指、L=小指(Left ではなく Little)。左右:THUMB R / THUMB L(中でつながっていて、親指と手の甲をどちらに挿してもよい)。
メイン基板は、技適を取得済みの ESP32-S3-MINI-1 モジュール(工事設計認証 R 201-230385)を、内蔵アンテナのまま使います。モジュールの改造、アンテナの変更、電波の設定(出力・チャンネルなど)を変えたファームの書き込みをすると、日本国内では使えなくなります。ドングルも技適マーク付きのボードを使ってください。技適のないボードを日本国内で電波を出して使うことはできません。手袋やキットを販売する場合は、販売する方が表示などの義務を負います(利用条件をご覧ください)。
03基板の発注(JLCPCB)
ダウンロードの「基板データ」に、JLCPCB用のガーバー(zip)、部品表(BOM)、部品配置(CPL)が入っています。
メイン基板
- 2層、50×38 mm、厚さ1.0 mm。部品実装(PCBA)は片面(表)。
- ESP32-S3-MINI-1、TCA9548A、MCP73831など、すべてLCSCの部品番号つき。
IMU小基板(パネル)
- パネル 93.0×37.6 mm(2列×6枚)、2層、厚さ0.8 mm、「Panel by Customer」。
- センサー(ICM-42670-P)がJLCのStandard PCBA専用部品のため、Economicでは発注できません。表面処理はHASLで可。
- 12枚とも同じ銅箔で、部品配置ファイルが「指用はR1、手の甲用はR2」を載せ分けます。備考欄に次の英文を書いてください:
One design repeated 12 times in a customer panel. R1 or R2 is placed per board as listed in the CPL (boards 1–10: R1, boards 11–12: R2); the unlisted resistor pads stay empty. - 当方の注文例:2パネル(両手2セットぶん)で約22,000円(Standard PCBA、2026年10月)。
JLCから「切り離しタブをコネクタ側にも付けてよいか」と聞かれることがあります。コネクタの辺は避けてもらうよう返信してください。
04電池(重要)
メイン基板v0.1の電池コネクタ(J2)は「1番ピン=+」です。市販のLiPo(Adafruit式)の多くは逆です。この基板には逆接続の保護がありません。逆に挿すと一瞬で壊れます。
- 電池は「JST PH 2.0・1番ピン=+(赤線)」の向きのものを選びます。商品の写真や説明で、線の向きを確かめてから買ってください。
- 基板のJ2の横に「+」の印があります。挿す前に、赤い線が「+」側に来るか目で確認します(テスターがあればなお安心)。
- 逆向きなら挿さないでください。正しい向きの電池を用意するまでは、USB給電で使えます(全部の機能が使えます)。
次の版の基板で、市販の向きに合わせて逆接続の保護も付けます。
05組み立て
- 小基板を外す:裏面に「F 0x68」(指用)、「H 0x69」(手の甲用)と書いてあります。縁を持ってタブの所で折り、出っぱりをヤスリで整えます。チップ(黒い四角)は押さないでください。手の甲用Hは、表にも油性ペンで印を付けておくと便利です。
- ケーブルをつなぐ:両端とも青い補強板を上にして差し込み、黒いレバーをパチッと倒します。基板はどれも部品面を外側に。片方だけ裏返すとケーブルがねじれ、電源とGNDが入れ替わって壊れます。
- コネクタの割り当て:I=人差し指、M=中指、R=薬指、L=小指。親指と手の甲Hは THUMB R / THUMB L のどちらでも(右手なら親指をTHUMB R、左手ならTHUMB Lにすると取り回しが楽)。
左手では指の並びと I〜L の並びが逆なので、ケーブルが基板の上で交差します(問題ありません)。 - 手袋に付ける:指用は各指の付け根の骨(基節骨)の甲側、親指は親指の基節骨、Hは手の甲の真ん中、メイン基板は手首寄り。向きは適当で大丈夫です(キャリブレーションで測ります)。2か所ずつしっかり固定し、ケーブルも指の付け根あたりで留めます。基板がぐらつくと精度が落ちます。
06ファームの書き込み
- HandCaptureを起動します(ダウンロードしたzipを展開して
HandCapture.exe)。 - メイン基板のスライドスイッチをONにして、USBでPCにつなぎます。OFFだと充電だけで起動しません。
- 左の「ファーム書き込み」にポートが出たら「手袋に書き込む」。約15秒、終わるまでUSBを抜かないでください。
- ドングルにするボード(AtomS3 Liteなど)も同じパネルで「ドングルにする」。
書き込めないときは、基板のボタン(BOOT)を押したままUSBを挿し直して、もう一度。
07PCとつなぐ
USBドングル(おすすめ)
ドングルをPCに挿したまま、手袋のスイッチを入れます。手袋は電源を入れたときにドングルを探すので、順番が逆なら手袋のスイッチを入れ直してください。
Wi-Fi
手袋はWi-Fiを設定していないと「HandCap-xxxx」という設定用の電波を出します(パスワード handcap1)。スマホでつないで http://192.168.4.1 を開き、家のWi-Fi(2.4 GHz)を設定します。PCと同じネットワークにしてください。
つながると、アプリの一覧に手袋が出ます。カードで右/左を選び、「センサー」で指を1本ずつ動かして、同じ指のバーが伸びるか確認します。
08キャリブレーション
カードの「キャリブレーション」(2台なら一覧の下の「両手まとめてキャリブレーション」)。画面の指示どおり約20秒です。
- 平らに置く:手のひらを下にして、机の上で指をそろえて伸ばし、動かさない。
- 手のひらを返す:指をそろえてまっすぐ伸ばしたまま、手を浮かせて、ゆっくり手のひらを上に向けて戻す(2回)。ここで指が曲がったり揺れたりすると精度が落ちます(警告が出たらやり直し)。
- 指を曲げる:ゆっくり指を曲げて伸ばす(2回、親指も一緒に)。
- もう一度平らに置く。
起動のたびと、ずれてきたと感じたときは、手を平らに置いて「合わせ直し」(基板のボタンでも同じ)。
09アバターへの出力
- VMC:「出力」タブで送り先(例:
127.0.0.1:39539)を設定。MOCAPTYX Stageで確認済みです。Warudo、VSeeFaceなどVMCを受け取れるアプリでも動くはずです。 - VRChat OSC(未検証):パー・グー・ピースなど8つのジェスチャーを
HandCapGestureL/Rなどのパラメーターで送ります。 - OpenGloves(未検証):SteamVRのOpenGlovesドライバーへ指の曲げと開きを送ります。
- 「アバター調整」タブで、アバターごとに曲げの強さや開きを調整して保存できます。
10うまくいかないとき
| 症状 | 確認すること |
|---|---|
| USBでつないでもPCに出てこない | スイッチがON か。データ通信できるUSBケーブルか。 |
| 手袋が一覧に出ない | ドングルを挿してから手袋のスイッチを入れたか。Wi-FiならPCと同じ2.4 GHzのネットワークか。 |
| 「センサーの値が止まっています」と出る | 電源を切って、その基板とケーブルを挿し直す。それでも出るなら小基板の不良の可能性(予備に交換)。 |
| 違う指が動く | コネクタの割り当て(I・M・R・L)とケーブルを確認。 |
| 手を返すと指が開く・ずれる | キャリブレーションの2つ目を、指をまっすぐのまま大きく返してやり直す。基板とケーブルがしっかり固定されているか。 |
| キャリブレーションで警告が出る | 警告に書かれたステップの動きを、ゆっくり大きくしてやり直す。 |
うまくいかないときは、カードの「● 録画」で数十秒録って、Issuesに添えてもらえると原因を調べやすくなります(保存先は app\hand_capture\recordings)。
11v0.5の既知の問題と今後
- 電池コネクタの極性が市販品と逆、逆接続の保護なし(4章)。
- 左手でケーブルが基板上で交差する。
- 親指は、ほかの指より動きが不安定です。
- ケースは未公開(設計中)。
- アプリの画面は日本語のみ。
- VRChat OSCとOpenGlovesへの出力は、まだ実機で確認していません。試した方はIssuesで教えてもらえると助かります。
今後の予定
- 1指2IMU版を検討中:指の第2関節の上(中節骨)にもIMUを足して、かぎ爪のような曲げも推定ではなく直接測る版です。今の1指1IMU版は、第2・第3関節を付け根の曲がりから推定しています。
- フレキシブル基板版も検討中:IMUと配線を1枚の薄いフレキ基板にまとめて、ケーブルなしで指に沿わせる版です。
- メイン基板の次の版:電池の極性と逆接続の保護、左手用のコネクタ割り当て、小型化。
- 6個のIMUの時刻合わせ、温度補正など、ファームとソフトでの精度向上。
12ダウンロードと利用条件
展開して HandCapture.exe。手袋とドングルのファーム入り 基板データHandCapture-0.5.0-hardware.zip
メイン基板・IMU小基板のガーバー、BOM、CPL ソースHandCapture-0.5.0-source.zip
アプリ(手指の部分)、ファーム、基板の生成スクリプト
利用条件:ソース公開です(OSSではありません)。個人・非営利での利用、改造、自分用の製作、撮ったモーションや作品の販売・収益化は自由です。手袋・基板・キットの販売や製品への組み込みは、有償ライセンスです(ご相談)。詳しくは各zipの LICENSE.txt と利用方針をご覧ください。
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